2023年5月にテルアビブ大学名誉教授であり、マイケルチェーホフヨーロッパ(MCE)の講師であるデービッドジンダー氏が来日して大阪と東京でWSや講演を行いました。デービッドジンダー氏がそのWSと講演についての内容と感謝を手紙にして送っていただきました。

テルアビブ大学

名誉教授デービッドジンダー

マイケルチェーホフ東京|2023年5月1日~16日

 パンデミックによる中断の後、マイケルチェーホフ東京の秋江智文の招待を受け、マイケルチェーホフヨーロッパ(以下MCE)は日本に戻ってきました。そして私は大阪と東京でプロの俳優に向けてMCEのトレーニングプログラムのモジュール1とモジュール3のWSを行い、一日だけのWSを京都芸術大学で、講師養成WSを東京で行いました。そしてチェーホフテクニッックに関心がある演劇関係者に向けて二回の講演を行いました。

 これらすべての企画は、それぞれの活動に最適な場所もあって、素晴らしいものになりました。私は、秋江智文と杉江美生、そして大阪の一心寺シアター倶楽の高口真吾に感謝を述べたいです。

 その二つの講義は、マイケルチェーホフテクニックの最も基本的な概念の一つである想像的な俳優の身体と想像力との根源的な共生に関連して、「俳優は自分の体で想像する」というタイトルで行われました。その講演では、マイケルチェーホフの人生のストーリーと共に、身体と想像力のつながりは教授可能であり、俳優がすぐに使えるツールになることを示す事例や実演を行いました。

 MCEトレーニングのモジュールⅠは、大阪にある一心寺の美しい劇場スペースで行われ、イマジナリィセンター(想像的な核)、イマジナリィボディ(想像的な身体)、アンサンブル、詩を演じるといった、チェーホテクニックの基本的なツールに関する「メイキングコンタクト(直訳:「触れること、接触すること」)」に集中して行いました。受講生は、幅広い年齢層から、様々な経験や技量を持った総勢20名のプロの俳優達でした。

 モジュールⅢは東京の大きなスタジオ行われ、チェーホフテクニックの最も有名な要素であるサイコロジカルジェスチャー(心理的動作)に集中して行いました。レーディエーション(放つ)とレシービング(受ける)、アーキタイプ(元型)や元型的な動作といったチェーホフテクニックの中の他の要素についても取り組みました。受講生は大阪から引き続き参加した何名かの俳優を含めた総勢20名でした。

 2週間半に及んだ、最後の企画は、演技講師たちとの講師養成WSでした。そのうちの受講生の半分は東京WSの受講者でした。個々のレッスン、一日だけのWS、一週間に及ぶトレーニングや長期間のトレーニングのための「教えるための筋道」を構成する必要性について言及しながら、一般的な教えることに関しての考えについて議論しました。「抽象から具体へ」という概念に重点が置かれました。言い換えれば、俳優が拙速な選択を避け(抽象に留まり)、自分が行っているすべてのことに想像力を適用する時間を確保できるようにすることです。 自分自身と監督に多くの演技の選択肢を提供します。

 

Michael Chekhov  Tokyo

マイケルチェーホフ東京 

 

【代表 】

秋江智文

 

【問い合わせ】

michael_chekhov_tokyo@yahoo.co.jp