マイケル・チェーホフの演技法の中でも、特に有名で実践的なツールが「サイコロジカルジェスチャー(心理的動作)」です。
これは、役の内面(目的・心理・行動)を、頭で考えるのではなく身体の動きを通して体験することで、自然と呼び起こしていく方法です。身体の動きが感情や行動の引き金となり、役の本質に近づくことができます。
多くの俳優は、役の感情を深めようと、背景や心理を理屈で分析したり、自身の過去の経験を当てはめたりします。しかしこの方法では、
などの難しさを感じることも少なくありません。
一方、身体からアプローチすることで、感情や動機をより直接的・力強く感じることができるようになります。動きを通して内面を掘り下げていくため、再現性が高く、安定した演技にもつながります。
▼ レッスンの内容
【1日目|5月 26日18:15~21:45】
ただ「身体から見つける演技」と言っても、そこにはプロセスや要素があります。サイコロジカルジェスチャーを使いこなすための基本要素を学びます。
などを、実践的なワークを通して丁寧に体感していきます。
【2日目|5月 27日18:15~21:45】
サイコロジカルジェスチャーには様々な種類があります。それらを幅広く使いこなせるようになると自分から遠いと思われる役にも取り組め、普段使わない行動や感情にもよりアプローチしやすくなります。
について学んでいきます。実際のシーンに落とし込むことで、よりリアルで説得力のある演技を目指します。
初めての方でも安心して参加いただける、丁寧で身体を動かしながら学べるワークショップです。理屈ではなく、「感じて演じる」体験を、一緒にしてみませんか?
※使用テキストについては、受講者の状況を見て決定し後日お送りします。
▼マイケルチェーホフテクニック
マイケルチェーホフは、役者の創作現場をつぶさに観察することで、心と体のつながりを研究し続けた。彼のテクニックはこの「サイコフィジカル(心と身体)」を土台とし、動きを通して役に必要な感情を呼び起こしたり、演技を行う上での必要な要素を見つけたりする。その例としては、チェーホフテクニックで最も有名な「サイコロジカルジェスチャー(心理的動作)」である。全身を使った動きを使った、ジェスチャー(動作)を行うことで、役の行動や目的を見つけ、また身体化させ演技につなげる
役作りにおいて、自らの過去やトラウマではなく、想像力を使い役そのもの存在を見つけ、その役に変身していく。イマジナリィセンター(創造的核)やイマジナリィボディ(創造的身体)などのテクニックでこうした役作り方法を学ぶことができる。
そのテクニックはチェーホフの直接の教え子であるジョアンナ・マーリン、マラ・パワーズ、グレゴリー・ペック達によって広められる。現在ではアメリカのマイケルチェーホフ協会(MICHA)はチェーホフテクニックを広める本拠地であり、マイケルチェーホフヨーロッパ(MCE)はヨーロッパを中心に広がり、世界中の学校やスタジオなどで学ばれ、プロの俳優などにも使われている。近年では韓国、台湾、シンガポール、中国などのアジア圏の学校やスタジオでも取り入れられている。
日本ではチェーホフの代表的な著作"TO THE ACTOR"は、日本語に翻訳されているが誤解も多く、また体系立ててマイケルチェーホフについて学べる場所は日本ではまだ少ない。
▼こんな人におすすめです。
・舞台上で考えすぎてしまう人
・心身がいつもバラバラになってしまう人
・自分の殻が破れない人
・身体や想像力をつかった自由なアプローチを知りたい人
・本格的な学びへの一歩が踏み出せない人
・安心した空間でワークを望まれる人
【日時】
・1日目|5月 26日18:15~21:45
・2日目|5月 27日18:15~21:45
※開場は18:00となります。
【場所】
K‘Sスタジオ新館
※東京メトロ丸ノ内線 東高円寺駅より徒歩3分
〒1660003 東京都杉並区高円寺南1-6-3ISOビル4階
https://koenjiksstudio.wixsite.com/mysite/blank
【対象者】
俳優の方
【受講料】
9000円
※原則両日受講
【定員】
8名(最低実行人数3名)
【申し込み】
https://www.michael-chekhov-tokyo.com/
【講師紹介】
秋江 智文
演技講師・演出家・俳優・通訳
マイケル・チェーホフスタジオ東京代表
アクティングコーチギルド(ACG)理事
京都芸術大学非常勤講師
21歳のときマイケルチェーホフ著『To the Actor』を読み、強く感銘を受けたことをきっかけに25歳のとき渡英。英国アルテミス・スピーチ&ドラマスクールで、チェーホフテクニックのサラ・ケーン(Sarah Kane)および、校長のクリストファー・ガービー(Christopher Garvey)に師事し、チェーホフテクニックやCreative Speechを学ぶ。またマイケルチェーホフスタジオロンドン(Michael Chekhov Studio London)の校長を務めるグラハム・ディクソン(Graham Dixson)に師事。帰国後ドイツ、ギリシャ、台湾などで学び続ける。マイケルチェーホフヨーロッパ(MCE)の講師養成プログラムの一員として、現在ではウルリッヒマイヤーホーシュ(Ulrich Meyer-Horsch)を師として、日本でマイケルチェーホフテクニックを専門に基礎から応用まで体系立てて教えている。松竹エンタテインメント俳優スクール、株式会社フリー・ウェーブ、ポーラスター東京アカデミー、株式会社アンカットなどで講師を務めている。